よりみち外科医のひとりごと

"よりみち外科医のstep up note"のセカンドブログです。

 大学院で基礎研究によりみちした外科医が、
 技術的、経済的、社会的自立を目指して
 奮闘する毎日を描いた
 ひとりごとブログです。

 

病棟に根を張ってしまった術後の患者

後輩に
"適度な運動は大事だよ"
と後輩にアドバイスしながら
自然の流れでエレベーターにのる
"よりみち外科医"です。

>どの口が!?

 

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私のプロフィールについては以下をご参照ください。
https://yoriste.com/profile/

 

週末も当直業務だったので
病院で一晩過ごしました。

 

病棟で入院患者一覧を眺めていて
改めて感じたことを記事にしました。

 

<心臓外科手術はハイリスク>

 

私たちの手術では
目的の操作をするために
心臓を止めたり動かしたりします。

 

一度止まっていた心臓は
元気に立ち上がらずに
不具合をきたすことがあります。

 

また、
さまざまな臓器に行き渡る血液の流れが
通常と変わってしまうため
うまく血流が辿り着かない場合は
臓器不全になることもあります。

 

そんなハイリスクな手術なので
手術の前には
もしもの時の場合もしっかり説明して
十分にご理解いただく必要があります。

 

病棟にはそのもしものために
植物状態になってしまった人がいます。


私たちは正しいと思う処置を尽くして
できるだけこのようなことにならないように努力していますが
残念ながらゼロにはなりません。

 

しかし、
こうなってしまった患者の家族が
その状況を受け入れられず
裁判を起こしたり、
転院を拒否して未払いのまま放置したり、
さらに残念な事実を突きつけられることがあります。

 

テレビ番組では
私たち医師を悪者にして
裁判を起こして闇を暴いたなどと
面白がって放送されるので
その風潮は強くなっている気がします。

 

 

 

<結果として病院が背負うもの>

 

その結果として
病院はどうなってしまうのか。

 

新たな患者を救うのに必要な労力や資金を
そちらに費やす必要があります。

 

この前例のために
新たなハイリスク患者に対して
救命手術をすることができなくなり、
救える命が放置されることになります。

 

急性期病院では
一人でも多くの患者を救命するために
病床数ギリギリで受け入れていますが、
植物状態の患者が増えれば
受け入れできなくなります。

 

<自分の家族がそうなってしまったら>

 

これまでは医療側の立場で
書きましたが、
では患者の家族側の立場になったら
私はどう考えるのか。

 

もちろん
簡単に受け入れることは
できないと思います。

 

ただ、
患者との時間を有意義に過ごすため
同じような患者を持つ家族と情報共有するため
適切な場所に移動することは前向きに考えます。

 

自分達の心象がどうこうというのは
患者の意向とは全く関係ないので
殺人事件と同じような対応をとるのは
私は間違っていると思います。

 


<気持ちは察するが前に進んでほしい>

 

身近な人が死に近づく時
私たちは受け入れることを
拒絶しがちです。

 

一方で
亡くなってしまった後は
身辺整理がついた後は
しっかりと受け入れて
元の生活に戻れることがほとんどです。

 

そうならないのは
患者に対する思い入れの問題ではなくて
家族の心象の問題です。

 

人生は一度きりで
時間が限られています。

 

前向きに生きられないのは残念ですし、
患者さんの意向に添えていない、
次に助けられる患者を無下にしてしまう行為は
好ましいことではありません。

 

今一度冷静になっていただきたいですし、
医療側もそのような事実は
誰も望んでいないことをご理解いただきたいです。

 

そして
それを面白がったテレビ番組などを
真にうけないでほしいです。

 

ちなみに
私たち心臓外科は
すべての医療事故に対して
症例検討会をしていますので、
厳しく原因究明して対応しています。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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外科医の日常をつぶやきつつ
少しでもお役に立てる情報を発信していきます。

 

ひとやすみ、ひとやすみ。