よりみち外科医のひとりごと

"よりみち外科医のstep up note"のセカンドブログです。

 大学院で基礎研究によりみちした外科医が、
 技術的、経済的、社会的自立を目指して
 奮闘する毎日を描いた
 ひとりごとブログです。

 

病識がない心房細動から慢性心不全へ

昨日(11/11)はポッキーの日だったにも関わらず、
ブログの導入にポッキーを登場させることを忘れて
悔やんでも悔やみきれないので
本日(11/12)に償いのポッキーを食べた
"よりみち外科医"です。
#誰も償ってくれとはいっていない

 

私は毎週外勤で外来業務をしているのですが
今週はあった診察の内容について記事にします。

 

筋骨格系の痛みで整形外科を受診したら
最近胸がよく苦しくなると言う訴えから
すぐに当院を受診するように勧められたと言う患者さんでした。
#ご紹介ありがとうございます

 

重症感は全くなく、
受け答えがしっかりした中年男性で、
奥さんと一緒に来院されました。

 

これまで健診で不整脈を指摘されていましたが
症状がないからといって医療機関を全く受診されていませんでした。
#自営業さんに特に多い

 

来院後すぐに心電図を取ると
心房細動による頻脈(120bps程度)を認めました。
#ん?

 

初診でもあったので胸部レントゲンを撮影すると
鬱血は認めないものの心臓はかなり大きくなっていました。
#あれ?

 

超音波検査を追加すると
LVEFは29%程度で中等度の僧帽弁閉鎖不全症を認めていました。
#あれあれ?

 

AST,ALT,BUN,CREも軽度上昇していて
しっかり心不全になっていました。
#まじかーい!?

 

治療を受ける医師はしっかりあるものの
武道の稽古があるけど参加して良いかなど
病識はない様子でした。

 

 

一歩間違うと
急性増悪して救急搬送する事態になりかねないので
治療が奏効するまでは控えていただくように勧めました。
#こればっかしは心配

 

やはり健診で異常を指摘された場合は
指示通り専門機関を一度は受診していただきたいです。

 

私たち医師は不要な薬を処方したり
無理やり何度も病院に来させるように指示して
患者さんの利益を奪うつもりは毛頭にありません。
#医者嫌いってそういうことかな

 

正しい診察と適切なタイミングでの治療をするためにも
もっと病院を信頼してほしいなと思います。

 

今回の場合も
早期から心房細動に介入することで
心不全にはならずに済んだかもしれません。

 

内科的治療を開始してからの経過次第ですが、
私の経験から言うと僧帽弁の手術を必要とする可能性が高いです。
#atrial functional MR

 

 

私たち医師の仕事は
命の危険にさらされた人を助けることだけではありません。

 

そこに至らないように
一次予防、二次予防をしっかりすることも大切な使命です。
#未然に防ぐと言うこと

 

その一方で、
私たち外科医は
手術でしか治せない状態に至った患者さんを助けることができる
唯一無二の存在です。
#カッコつけてみた

 

患者さんの状態を見て
内科的治療を継続するべきなのか
いつ手術介入するべきなのか
介入するとしたらどのようなオプションを持っているのか
全てをマネージメントできるコンサルタントにならなければなりませんね。
#はやりのコンサル

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。