よりみち外科医のひとりごと

"よりみち外科医のstep up note"のセカンドブログです。

 大学院で基礎研究によりみちした外科医が、
 技術的、経済的、社会的自立を目指して
 奮闘する毎日を描いた
 ひとりごとブログです。

 

ウエスタンブロットの解釈は難しい

ホリエモンのtweetは
時代に取り残されている人たちの反発を招いて
炎上することが多いですが
自分は意外と腑に落ちているので
これはきっと時代についていけている証拠だと
勘違いしている
“よりみち外科医”です。

>いつも感心しています

 

私のプロフィールについては以下をご参照ください。
https://yoriste.com/profile/

 

あなたは難しそうなことを
いざ自分がやってみて
ここまでは誰でもできる、
ここからが難しいと
気づいたことはありますか?

 

タンパク質の研究をしている人であれば
ウエスタンブロットは
避けて通れない手法です。

 

まだやったことがない人にとっては
ちんぷんかんぷんな
実験に思えるかもしれませんが、
難しくないと言えば難しくないし、
難しいと言えば難しい。

 

ということで、
今回はウエスタンブロットの
何が難しいかについて
簡単に説明していきます。

 

<見た目はシンプルなバンドの集まり>

 

ウエスタンブロットの実験は
マニュアルに沿って行うだけです。

 

もちろん研究者が雑に行うと
バンドが曲がって汚くなるなどの
見た目の問題が起こりますが、
出てくる結果は至ってシンプルです。

 

注目しているタンパク質に
特異的に抗体が反応したところが
横向きのバンドとして
検出されます。

 

バンド以外の情報は
ほとんどありません。

 

このバンドだけで
どう解釈するのか、
実はここに難しさがあります。

 

<バンドが複数見えた時>

 

いくつか例を挙げてみましょう。

 

例えば目的としてるタンパク質のバンドが
複数見えた時です。

 

目的のバンドが見えたと喜んでいても、
ディスカッションでは必ず指摘されます。

 

この原因はいくつかあって、
よくあるのはsplice variantといって
転写後のスプライシングの過程で
同一のRNAからできる
多様性によるものが考えられます。

 

タンパク質の品質の問題で
断端が切れてしまったり、
分解されてしまったりしたものが
本来のバンドよりも軽い位置に
現れることもあります。

 

その他にも
翻訳語修飾といって
タンパク質に対して糖鎖などが付与され
本来のバンドよりも重い位置に
現れることもあります。

 

このように
バンドが複数あることに対する
理由付けができることは
背景知識や関連論文の読み込み、
追加実験による証明などによってなされる
上級者の解釈になるわけです。

 

 

 

<バンドの濃淡が変わった時>

 

次の例として、
処置の違いで横のレーンに並べたバンドの
濃さが異なった場合についてです。

 

素直に解釈するなら、
タンパク質がこちらの方が多い、少ないです。

 

しかし、
ここで増えた、減ったと言ってしまうと
新たな解釈を必要とすることになります。

 

バンドが濃くなった原因として
考えられることは

・タンパク質の発現が増えた
・タンパク質の分解が抑えられた
・手技にばらつきがあった

などです。

 

つまり、
次の段階として
なぜ濃くなっているのかを
説明できるように
実験を追加するなり
論文を引用するなり
しなければいけません。

 

<工程よりも解釈が難しいことをしるべし>

 

以前にもウエスタンブロットについて
手技は難しくないということを
お話ししたことがありましたが、
本当に難しいのは
そのデータの解釈であるということが
今回の記事の主旨になります。

 

まだ慣れていない方は特に
データができたことに安心せず、
そのデータの解釈を
詳しい人にチェックしてもらった方が
安心だと思います。

 

-今日のDeepL-

ウエスタンブロットは、作業工程は難しくないが解釈が非常に難しい。

Western blotting is not a difficult work process, but is very difficult to interpret.

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。