よりみち外科医のひとりごと

"よりみち外科医のstep up note"のセカンドブログです。

 大学院で基礎研究によりみちした外科医が、
 技術的、経済的、社会的自立を目指して
 奮闘する毎日を描いた
 ひとりごとブログです。

 

外科手術とカテーテル手術

 

私のプロフィールについては以下をご参照ください。
https://yoriste.com/profile/

 

ガイドラインやデータだけが術式を決めるわけではないことを知りました!

 

<大動脈弁手術の選択>

大動脈弁置換術は
心臓血管外科にとって
最も基本的で
馴染みのある手術の一つです

 

この手術の選択して
現在では二つの選択肢があり、
心臓を止めて人工弁を埋め込む外科的手術(SVAR)
経皮的に人工弁を留置するカテーテル手術(TAVR)
のいずれかから選択することになります

 

それぞれの特徴や問題点は
すでにたくさん報告されており、
患者によって最適な術式を
提案しています

 

ガイドラインにも
推奨度が載っていたり
論文でリスクのことが報告がされていたり
現在ホットな話題でもあります

 

ただ、
上記のような客観的なデータだけが
患者さんの選択を決定するものではないことがあります

 

 

 

<患者の話をしっかり聞くことが大事>

私の担当の患者で
そこそこ若くで元気なので
外科的手術をお勧めしたところ
カテーテル手術にこだわった方がいました

 

よくよく聞いてみると
家庭菜園の様子が気になること
夫の介護でそばにいてあげたいこと
上記のために自分の手術は早くけりをつけて
いち早く帰宅したい
その気持ちが第一にあるとわかりました

 

もちろん合併症の心配はあります

 

しかし、
最も早く家に帰れる可能性が高い選択肢は
カテーテル治療であることに
違いはありません

 

そのことを知っておきながら
正論を語って
外科的治療をゴリ押しすることは
正しい判断だとは思えません

 

現場の声を聞くと
データに現れない大事なことに気づきます

 

本当に患者のためになる治療
それが何かを一緒に考えることが
外科医の役割なのでしょうね

 

-今日のDeepL-

術式選択の背景には、データに現れない患者の希望が存在する

Patient preferences that are not in the data underlie the choice of surgical technique.

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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外科医の日常をつぶやきつつ
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ひとやすみ、ひとやすみ。

院内のTQMに参加することになりました

 

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意図せずTQMのメンバーに選出されました!

 

<TQMへの参加>

ある日、
急にICUの看護師さんから
"TQMのメンバーに先生の名前を
載せさせていただきました"
を声をかけられました

 

TQMって何?

 

私も医師になって10年以上になりますが
恥ずかしながら
TQMという言葉を
耳にしたことがありませんでした

 

Total
Quality
Management

 

この略称を言うようで
病院のケアの質を上げるために
病院全体として取り組んでいる
活動のことを指しているようです

 

 

 

<TQMの活動内容>

ICUで行う
具体的な活動は
入室する患者さんの不安を取り除くために
術前訪問で情報提供することのようです

 

患者さんが何を不安に思っているのか
ICUの看護師さんも事前に把握しておきたいので
担当患者にインタビューして情報収集するのが
私の担当業務のようです

 

どこの病院でもやっているような気はしますが、
TQMという観点で
この業務をどう進めていくのか
真面目に考えてみました

 

TQMというのは
経営、管理、現場
それぞれの立場で
きちんと役割を決めなければ
機能を果たしません

 

・経営が病院の財務を良くするために
改善したいテーマ、課題を決め
・管理が課題を達成するための
施策・目標・期間やメンバーと役割分担を決め
・現場がアイデアや予備実験から手段を決定し、
QCサークルやQC活動を通して実現します

 

そして
・現場は管理に成果を報告し、
・管理は報告内容をまとめて経営に集計と評価を報告し、
・経営は目標の達成度と成果の標準化を行います

 

そう言った流れが
きちんと全体に理解されていないと
たぶんただの作業になって
成果がはっきりしない、
評価をする言葉難しい、
残念な結果に終わると思います

 

一般企業では当たり前に要にされていることでしょうが
病院ではあまり馴染みがない
TQMという活動が
最終的にどんな結果に帰結するのか
私も楽しみです

 

-今日のDeepL-

TQMは、経営・管理・現場のそれぞれが役割を理解していないとうまくいかない

TQM will not work unless management, administration, and the field understand their respective roles.

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ひとやすみ、ひとやすみ。

寝ホンと外科医の相性は?

 

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寝ホンはまだ外科医を満足させられない

 

<寝ホンとは>

時々話題になる寝ホンついて
私なりの見解です

 

寝ホンとは
寝たまま使用することに特化した
イヤホンのことです

 

軽くて、
小さくて、
ワイヤレスで、、、
さまざまな工夫をされた
寝ホンが販売されています

 

その中でも有名なのが
こちらの二つ

 

 

 

 

どちらもたくさんレビューされていますが
外科医としての必要な機能について
まとまった情報がないので
私なりに検討しました

 

 

<外科医に欲しい機能>

安眠できることも大事ですが
私個人としては

いかに家族に迷惑をかけずに
自分だけに必要な音を集められるか

が重要だと思っています

 

・夜間緊急コール
・朝の目覚まし

これに対応できればそれでいいのかなと

 

どちらのイヤホンも
素晴らしい機能を備えていますが、
電池寿命が気になります

 

夜間緊急コールについては
bluetoothに接続した状態が必要ですが
この設定だといずれも
6時間の電池寿命です

 

これはギリギリと言うか
電池寿命が少しでも短くなったら
朝まで持たないかもしれません

 

目覚まし機能については
bluetoothに接続せずに
イヤホンに直接設定する
睡眠モードが使えて
これだと8-10時間となり
許容範囲だと思いました

 

どちらも必須の条件なので
ちょっと物足りない気がします

 

逆にイヤホンをしていることで
周囲の音に気づけずに
緊急コールに対応できなかったら
逆効果です

 

現状は寝ホンによって
得られる利益よりも
リスクの方が大きい気がして
購入はやめました

 

-今日のDeepL-

現段階の寝ホンには、電池寿命の点で不満がある

I am dissatisfied with the current stage of sleep earbuds in terms of battery life.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

研修医に結紮の練習をしてもらいました

 

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久しぶりに結紮の指導をしました。

 

<手術のない日の過ごし方>

手術がない日は
術前の準備や術後管理が
メインの仕事になりますが、
研修医の先生に
診療科のアピールをするという点では
物足りない1日になってしまいます

 

少しでも手術につながる
研修にするためには
ドライラボがちょうど良いと思って
結紮の練習をしてもらいました

 

術中に時々
結紮をしてもらう機会はあるのですが
改めて理論を学習してもらって
クオリティの向上に努めてもらうには
良い機会になりました

 

 

 

<駆血帯をつかって結紮の練習>

私が結紮の質を簡単に確かめれられる
お気に入りの練習素材として
駆血帯を採用しています

 

駆血体をテーブルに固定して
2-0絹糸でしっかりと結紮してもらい
内腔を閉塞させられるか
チャレンジしてもらいます

 

片手結びで緩んで
両手結びでも緩んで
そういう問題ではないことに気づいてもらいました

 

slipping knotをちゃんと使って
2回目の結紮でしっかり締め込むこと
これが口で説明することがなかなか難しい

 

かつての先輩が書いた
結紮のテキストを勉強してもらい
理論を理解した上でチャレンジしてもらうと
結構すんなりできるようになりました

 

外科手術の一つ一つの手技は
感性でやるものではなくて
理論でやるものなんだと
駆け出しの分際である私が
偉そうに研修医に指導しました

 

きっと少し練習して
体に染みついた頃には
私の背中を超えていってくれることでしょう

 

-今日のDeepL-

ドライラボで手術手技の練習をしました

Practice surgical techniques in the dry lab.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

手術同意書を作り直しています

 

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デザインの基本に習って手術記録を手直ししてみました

 

<電子カルテの更新にあわせて手術同意書もアップデート>

私の勤務している病院では
電子カルテの更新が行われる予定であり、
それに合わせて若干古くなっていた
手術同意書の見直しが行われています

 

手術成績については
日本胸部外科学会のannual reportからの
最新の情報を参考にしました

 

診療科内のみんなに
同意書の担当を割り振って
修正したものを回収し
さらに回し読みして
修正を重ねました

 

最終的に出来上がったもののうち
成人心臓手術に関する同意書は
私がワードに清書することになりました

 

 

 

<誤字の修正だけでは満足できなくなった>

誤字を確認しながら修正していくうちに
同意書毎にバラバラの
フォントを使っていたり
スペースの取り方が違っていたり
統一感がないことに気づいてしまい
それが気になってしまいました

 

特にフォントについては
デザインの教科書で勉強したこともあり
自分の知識を活かす良い機会だと思って
全て変えることにしました

 

私が重宝している
デザインの教科書については
こちらの記事をご参照ください

yoriste.com

 

明朝体は
字体がスリムでしつこくなく
読みやすいことが特徴的なので
文章などの長文に向いています

 

一方でゴシック体は
自体が太くてよく目立ち
印象に残りやすいので
フレーズやシンボルなどの
強調として使用するのに向いています

 

うまく使い分けると
メリハリがついて読みやすいのですが
使い方が適当だと
読むのにストレスを感じる
文章になってしまいます

 

個人的には
公的文章にイタリック体を使用するのは
安っぽいので嫌いです

 

さきほどの教科書を読んでさえすれば
文字を効果的に強調する方法など
他にいくらでもあるとわかります

 

そんなことを考えながら
独りよがりの修正を加えていたら
あっという間に時間が過ぎてしまいました

外科医の立場で
いったい何をやっていることやら。。。

 

-今日のDeepL-

字体の使い方で文章の読みやすさが大きく変わる

The use of font styles can make a big difference in the readability of text.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

EVAR(TREO)やってみた

 

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TERUMOから出ているTREOというステントグラフトを初めて使ってみました!

 

<初めてのデバイス>

腹部大動脈に使用する
ステントグラフトには
たくさんの種類がありますが、
今回は上司の好みもあり
TREOというステントグラフトを
初めて使用しました

 

www.terumo.co.jp

負担はExcluder(Gore)やEndurant(Medtronic)といった
定番の機種しか使用していないので
初挑戦のデバイスになります

 

手術で使用する前に
デモを操作する講習を受けましたが
使用感はほとんどEndurantと変わらないので
それほど抵抗はありませんでした

 

 

 

<使ってみての感想>

良かった点は
Long bodyでしっかりとした構造なので
対側脚のゲートが
難しい角度に跳ね上がる心配が
少ない印象でした

 

最終造影をを確認すると
非常に綺麗な形で留置されるので
エンドリークが起こらなそうな気がします

 

注意点としては、
deployのときのグリップの回転方向が
Endurantと逆向きであること

 

bodyはdeployの際に
中枢側にずれていく傾向があるため
腎動脈に被って行かないように
注意を要すること

 

今回は脚はExcluderを使用したので
私が体感していませんが、
上司によると
脚が中枢側に
かなり短縮するとのこと

 

デバイス毎に癖があるのは
仕方がないことなので
説明書だけでは十分ではなく
指導医がついてやらないと
安全ではないなと痛感しました

 

学ぶことだらけの毎日ですが
手を動かしながら学べることは
とても楽しいです^^

 

-今日のDeepL-

デバイスのクセに振り回されないように注意しよう

Be careful not to be swayed by device habits!

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

外来しながらの病棟管理に慣れない。。。

 

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新しい勤務先で外来をするようになりました

 

<慣れない外来で頭がパンパン>

大学病院に勤務していた時は
外来業務を行わずに
手術と病棟業務に専念していました

 

当然のことながら
市中病院に勤務し始めて
外来業務が割り当てられることになりました

 

1年毎のフォローがほとんどなので
担当する患者に対して
まずは初めましての挨拶から

 

病状を一から理解するところからの
スタートになります

 

そんな中で手術担当患者が入院してきて
次の日に手術という
タイトスケジュール!

 

大体こういう時に限って
トラブルが起こります

 

 

 

<入院してきた患者が体調不良を訴えている>

 

明日に手術を控えているのに
最近急激に足がむくみ出したと
訴えているではありませんか!

 

ネフローゼ症候群の既往があり
ステロイドも内服している
ハイリスク患者です

 

どうしようか考えているうちに
外来によばれてしまい
今度は外来業務を再開

 

気づいていたら夕方になっていました。。。

 

慌てて腎臓内科の先生に相談したら
まずは尿検査を、と言われ
オーダーするもなかなか尿がでず

 

踏んだり蹴ったりな1日でしたが
なんとかちゃんと診察してもらえました

 

今考えると腎臓内科に相談する前に
尿検査が必要なのは当たり前のこと

 

尿検査は律速になるので
なるべく早めにオーダーしておくべきであること

 

慣れない外来業務に意識を持って行かれて
効率の悪い病棟業務になってしまいました

 

そんな判断力に欠けるようでは
外科手術の腕なんでまだまだですね

 

精進せねば!!!

 

-今日のDeepL-

慣れない業務で、当たり前のことを判断する力が鈍っている

Because they are unfamiliar with the business, their ability to judge the obvious is dulled.

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。