よりみち外科医のひとりごと

"よりみち外科医のstep up note"のセカンドブログです。

 大学院で基礎研究によりみちした外科医が、
 技術的、経済的、社会的自立を目指して
 奮闘する毎日を描いた
 ひとりごとブログです。

 

心臓移植が多いらしい

 

私のプロフィールについては以下をご参照ください。
https://yoriste.com/profile/

 

最近なんとなくドナー情報が多い気がします

心臓移植は施設が限られているため
一般的に広まっている手術ではありませんが、
認定施設ではドナー情報が流れるたびに
そわそわしてしまう一大イベントです。

 

<ドナーが最速ペースで出ているらしい>

 

最近ドナー情報が毎週のように聞かれ、
週末になるといつもあたふたしています。

 

私の勤める病院でも
心臓移植を行なっており、
ドナー情報が流れるたびに
うちに来るかもしれないと
準備をしています。

 

もちろんほとんどの場合は
他の施設が受託するので
空振りになることが多ですが、
ドナーが出るタイミングは
時期によってまちまちで
特に今はとても多い印象であり、
毎週準備している気がします。

 

ネットワークからのお話によると
ここ最近は最速ペースで
ドナーが出ているようなので
私の持つ印象と事実は
乖離していないようです。

 

 

 

<正中AVRより移植の方が多い>

 

最近はMICSが流行っていることもあり、
当院で正中AVR(大動脈弁置換術)は
ほとんど見なくなりました。

 

今年に限っていうと
心臓移植の方が
正中AVRよりも多いという
驚きの事実があります。

 

色々なリスクと
術式を勉強できるのが
大学病院のメリットではありますが
外科医の端くれが研修する先としては
あまり現実味がない職場だなと
常々感じます。

 

そんなことをぶつぶつ言いながら
先週も、
今週も、
きっと来週も、
ドナー情報に振り回される週末になるでしょう。

 

-今日のDeepL-

心臓移植件数が急激に増えている。

The number of heart transplants is increasing rapidly.

 

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外科医の日常をつぶやきつつ
少しでもお役に立てる情報を発信していきます。

 

ひとやすみ、ひとやすみ。

移植の心臓もいろいろ

ここ最近、
心臓移植が増えている印象があったので
その心臓について少し語ってみます。

 

私のプロフィールについては以下をご参照ください。
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心臓移植と言ってもみんな同じ手術や経過ではありません

 

私たちの施設では
心臓移植の認定を受けているので
たくさんの経験をしました。

 

移植で取り出す側(ドナー)も
植え込まれる側(レシピエント)も
人間なので色々な背景があります。

 

<ドナーもいろいろ>

 

脳死判定されて
ドナーとなった患者さんの
その背景はもちろんそれぞれ特徴的です。

 

心臓の機能に関してもそうで、
冠動脈疾患や弁膜症を
多少は持っていることも珍しくありません。

 

移植後の心臓の機能に
懸念がある場合を
マージナルと呼ぶことがあります。

 

マージナルの心臓を移植した場合、
心臓移植後の心機能が十分でなく
心臓をサポートする薬剤を多く必要としたり
その他のサポート機械を使用することがあります。

 

 

 

<レシピエントもいろいろ>

 

一方でレシピエントにも
心臓移植を必要とするようになった
背景はさまざまですし、
移植登録されてからの経過も
特徴的であることがあります。

 

特に経過が悪くて
心臓移植を急ぐ場合には
他のレシピエントとマッチしない
マージナルの心臓を植え込むことがあります。

 

状況が悪いレシピエントに
心臓に懸念があるマージナルを移植すると
移植前よりはかなりいい状態になりますが
術後はそれなりに苦労します。

 

移植登録されてから
実際に心臓移植を受けられるまでには
平均でおよそ5年かかるようです。

 

5年間何事も起きずに
順番が回ってくる人、
経過が悪くなって
背に腹は変えられない状況で
順番を飛ばして回ってくる人、
心臓移植もいろいろだなと思います。

 

-今日のDeepL-

ドナーもレシピエントも人間なので背景はいろいろですね。

Since both providers and recipients are human beings, their backgrounds vary.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

時間に余裕がないときの実験は失敗しがち

 

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臨床をやりながらの研究に悪戦苦闘中です。

 

<3D cultureを立ち上げ>

 

以前こちらのブログでご紹介しましたが、
新しいアッセイにチャレンジしています。

 

yoriste-shota-hitorigoto.hatenablog.com

 

この実験は
とにかく一つ一つの手技を
丁寧にすることが重要で、
ピットフォールだらけです。

 

臨床の業務は
土日を含め毎日あるし、
いつ何時トラブルがあるかわからないので
終了時刻が読めません。

 

一方で実験は
時間をきっちり決めて行う必要があるので
私は臨床の業務開始前に
研究を行うようにしています。

 

その場合の一番の問題点は、
業務開始時間を意識しながら
実験をしなければいけないこと。

 

いつも多少なりとも焦りを感じながら
実験をしています。

 

 

 

<結論、失敗した>

 

慣れた実験であれば
それでも失敗することは
少ないのですが、
新たに立ち上げた実験は
一つ一つ確認しながら手技を行うので
予想以上に時間がかかってしまいます。

 

時間を意識しすぎるあまり
いくつかの手順を飛ばしてしまったため
結果がバラついて
論文に使えないデータになってしまいました。

 

4日かけて進めた実験で
作り上げたデータなので
正直凹みます。

 

さて、来週は毎日が超重症の手術で
帰る時間も、
残る体力も、
かなり厳しいものになりそうです。

 

研究はどうなってしまうのか、
不安でしょうがありません。

 

-今日のDeepL-

時間を意識しすぎると、実験は失敗しがち。

If you are too time-conscious, experiments tend to fail.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

人事の季節ですね

 

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人事が発表される今日この頃

 

当科でも4月以降の職場について
人事が公表されつつあります。

 

かなりギリギリのタイミングですが
まだ不確定な要素もあるようで
人事って大変なんだなと感じています。

 

<ぎりぎりの引越しは大変>

 

私も何度か引越しを経験しましたが
特に県を跨ぐ引越しでは
ものすごい費用がかかりってしまいますし、
物件探しも大変です。

 

参勤交代のように
医局員に負担をかけることが目的なら
人事の公表が遅いことは
理にかなったことなのでしょうが、
"江戸時代か!"
と思わず突っ込みたくなる今日この頃。

 

大学病院は引越しについて
費用の負担が一切ないので
本当にどうにかしてほしいですね。

 

 

 

<私の人事は?>

 

この3月で大学院博士課程4年生が終わる
私に待ちけているのは
"単位取得退学"
というちょっと残念な名前のラベルです。

 

これは博士号を取得できなかったが
退学をして社会に進出し、
退学後3年以内に学位審査を修了すれば
博士号を取得できるというシステムに
乗っかっている人につけられるものです。

 

この3年で
論文を投稿して
アクセプト(受理)されて
学位審査を受けなければ
大学院に所属した4年間は
意味を持たなくなります。

 

このような残念な私に
医局から指示された人事は
大学病院でひたすら雑用をしなさい(無期限)
というものでした。

 

どうやら医局にしがみつくか
医局を離れるのか
真剣に考えなければいけない分岐点に
立っているようです。

 

毎日肩を落としながら
ため息を吐いていますが、
早く自分のやりたい道が見つかるといいです。

 

-今日のDeepL-

人事の季節は一喜一憂。

The personnel season is one of joy and sorrow.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

コロナ禍で手術計画がめちゃくちゃ

 

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コロナ感染拡大で手術の計画がカオスです

 

大学病院では
術前のカンファレンスを
非常に大切にしているので
手術計画を見ながら
カンファレンスの準備をしていくことが
私たちの仕事の一つです。

 

<患者のコロナ感染が急増>

 

手術を予定していた患者が
どんどんコロナウイルスに感染して
予定変更を余儀なくされています。

 

来週の手術予定の患者は
5人程度感染を確認して
計画変更となったようです。

 

予定が決まったらすぐに
資料の整理をする必要があるため
後手に回ってしまって
とても大変です。

 

予定を決めるスタッフも大変、
予定が決まって動き出すレジデントも大変、
それでも手術件数を維持しているのは
本当にすごいことだと思います。

 

 

 

<だからと言って手術は減らない>

 

待機患者が多くいるため
なんだかんだ手術計画を変更することで
手術件数は維持されています。

 

それどころか、
コロナの影響は他施設にも及んでいて、
病院によっては
急患を受け入れられない状況になっています。

 

結果としてマンパワーがある
大学病院が受け入れることになり、
むしろ急患は増えている状況です。

 

我々医療従事者が
感染してマンパワーを失うわけにはいきません。

 

コロナウイルス感染症
細心の注意を払いつつ
できる限りの医療を
提供し続けています。

 

以上、コロナ禍の心臓血管外科最前線でした。

 

-今日のDeepL-

医療を維持するために、自分が感染しないように気をつける必要がある。In order to maintain medical care, you need to be careful not to infect yourself.

 

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今から実験系を立ち上げ!?

 

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新たな実験に挑戦することになりました!

 

<大学院生活終盤でまさかの実験系立ち上げ>

 

早くも大学院生活も
残り2ヶ月半となってしまいました。

 

実験の進捗について
教授と相談している中で、
最後のダメ押し実験を提案されました。

 

細胞培養の3Dカルチャーなら
誰もこの実験系でやっていないから
最後にやってみないか?

 

なんと。。。

 

3Dカルチャーというのは
プレートに細胞を育てて
観察する実験の一つですが、
細胞外基質で全体を
コーティングすることで
細胞が分裂しながら
管腔構造を作る実験です。

 

かつて先輩がやっていたのですが
この実験を1年近くやり続けて
なんとか安定した結果が得られた
難易度の高い実験でした。

 

興味がある方は参考にどうぞ↓

www.promega.jp

 

 

<果たしてものになるのか!?>

 

不安しかありません。

 

本日初めて
プレートを一から作って
細胞を巻いてみました。

 

実験系がうまくいっていれば
明日以降に管腔構造を作りながら
増えていく細胞を観察できます。

 

実験の難易度もさながら、
実験系にかかるコストも
結構高くつきます。

 

気質に使用するマトリゲルは
かなり気まぐれな性質である上に
高価なために
非常に慎重に取り扱う必要があります。

 

とりあえずやるしかない。

 

綿密な計画を立てて
最短で結果を出せるように頑張ります!

 

-今日のDeepL-

卒業間近に難易度が高い実験をすることになった。

I had to do an experiment with a high degree of difficulty close to graduation.

 

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ひとやすみ、ひとやすみ。

なかなかシビれる休日当直

 

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休日でも気が抜けない当直をしました!

 

<重症患者が二人も>

 

昨日の当直では、
高濃度のカテコラミンを使用しながら
IABPのサポートを受け
CHDFを回している患者が
二人も並んでいる
シビれる当直でした。

 

休日の当直と言っても
診療科に入院中の患者は
約30人程度いて、
そのすべての患者に関係する対応をしながら
重症の患者を管理するとなると、
平日とほとんど変わらないくらい
忙しくなってしまいます。

 

血圧の変動が大きかったり、
尿量が急に少なくなったり、
不整脈が出現したり、、、

 

あたふたと重症患者の対応をしていると
病棟から薬の処方などの依頼が
次々とPHSにかかってきて
ストレスで爆発しそうになります。

 

 

 

<CHDFが2度もつまった>

 

さて、
この日にあった印象的なイベントは、
1日に2度もCHDFがつまってしまった
患者がいたことでした。

 

すでにヘパリンは開始していました。

 

ここで私が考えたことは、

1.  ヘパリンの効きが悪かった
2. ヘパリンが効かない要因があった
3. ヘパリンが悪さをした

の三つでした。

 

1.の場合は
APTTが延長していないことを確認して
ヘパリンを増やすべきでしょう。

 

2.の場合は
ATIIIの枯渇が考えられるため
その計測を行い、
必要に応じてATIII製剤の追加が必要です。

 

3. の場合は
HITの疑いがあるため
HIT抗体の測定及び、
著名な血小板の減少を確認する必要があります。

 

ヘパリンがダメなら
アルガトロバンへの変更が必要になるでしょう。

 

大抵の場合は1.ですが、
重症患者において、
また特殊な合併症を多く持つ患者においては
2や3も時々見かけるので
頭を抱えてしまします。

 

そんなことを考えながら
なんとか乗り切った当直でした。

 

連休の初日から
ストレスいっぱいの1日でした。

 

-今日のDeepL-

重症患者がいる当直はストレスフルだ。

Being on duty with a critically ill patient is stressful.

 

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